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「MD(ミサイル防衛)」も大事だけど、「AD(隕石防衛)」も、ね?・86(こっちの「飽和攻撃」も対応が超ハードでして・・)

あちゃあ、弾道&巡航ミサイルだけでなく隕石&彗星の方でも「飽和攻撃の脅威は深刻」でして、ねえ‥(;´д`)トホホ

それこそ「AD(隕石防衛)」においても「究極のミサイル防衛(敵基地攻撃)」的なアプローチが必要となってきたわけでして、それこそ「異星人相手より前に隕石相手の宇宙艦隊整備」が待ったなし…(思案)

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8億年前、月と地球を襲った隕石の「シャワー」

9/16(水) 6:01配信 JBpress

 (小谷太郎:大学教員・サイエンスライター)

 2020年7月16日、大阪大学の寺田健太郎教授、東京大学の諸田智克准教授、元・名古屋大学大学院生の加藤麻美氏(現・明星電気)が、「8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー ~月のクレーターから明らかになった地球の過去~」というハリウッド的なタイトルの下に記者発表を行ないました*1

。 寺田教授はこれまでにも、月の表面に地球起源の酸素を見つけたり*2
、はやぶさ(初代)が探査した小惑星イトカワの来歴を明らかにするなど*3

、準周期的に成果を挙げておられます。この連載の話題にも以前取り上げておりますが、寺田教授が筆者の知己ゆえ特別扱いしているわけでは(たぶん)ありません。今後もばんばん成果を挙げていただき、どんどん紹介いたしたいですね。*1:Terada, K., Morota, T. & Kato, M. Asteroid shower on the Earth-Moon system immediately before the Cryogenian period revealed by KAGUYA. Nat Commun
11, 3453 (2020).
*2:『「月」に吹く「地球からの風」 ~地球から流出し、月に到達した酸素の直接観測に成功! ~』(大阪大学、2017年1月31日)
*3:『地球近傍小惑星イトカワの年代史を解明』(大阪大学、2018年8月8日)



■ クレーターとは

 クレーターとは、隕石の衝突(や火山活動)によって星の表面に生じた円形のくぼみです。双眼鏡や望遠鏡で月を見ると、大小のクレーターが表面を覆っています。

 例えば、コペルニクス・クレーターは直径が93.1 kmもある、かなり立派なクレーターです。このクレーターは直径4 km~6 kmの隕石の衝突によって生じたと推定されます。質量は1兆トンほどあったでしょう。これは(見積もり方にもよりますが)富士山の質量と同じオーダーです。

 小さなクレーターは、砂場に小石を投げつけたり、小麦粉のボウルに卵を割って落としても、作ることができます。砂場では誰にも当たらないように、キッチンでは食べきれる分だけ使って、実験しましょう。

 しかし隕石の衝突は、小さなものであっても、砂場やキッチンの実験とは比べ物にならない破壊を引き起こします。何が違うかというと、速度が違います。

隕石の速度は数十km/sで、これは典型的な銃弾の約100倍です。この速度で物体が衝突すると、砂地がちょっとくぼんだり、あたりが小麦粉だらけになるだけではすみません。運動エネルギーが熱に変わり、飛翔体も標的も太陽表面以上の高温に熱せられ、閃光を放って蒸発します。周囲に大気があれば衝撃波が広がります。これは爆発と呼んでいいでしょう。飛翔体の材質が鉄だろうと卵の黄身であろうと、(質量が同じなら)ほとんど差は生じません。

 いうまでもありませんが、隕石の質量が大きければ、破壊はさらに大規模になります。

 富士山ほどの隕石が衝突してコペルニクス・クレーターをうがった時、その大爆発は地球からもまばゆく見えたことでしょう。それはいったい、いつのできごとでしょうか。

■ クレーターは宇宙からの爆撃の記録

 月面をおおう大小無数のクレーターは、45億年にわたる宇宙からの爆撃の記録です。この記録をうまく読み取れば、過去の太陽系の荒々しい活動や事件が浮かび上がります。

 今回の発表は、月面に刻まれた59個の大型クレーターの年齢を測定したというものです。小さなクレーターの数と大きさを数えると、大きなクレーターの年代が分かるのです。

 月周回衛星「かぐや」の地形カメラで撮像した高解像度の月面写真を用いて、対象となる大型クレーターを調べます。その周囲には、直径100 m~1 kmの小クレーターがたくさん見つかります。中心の大型クレーターがドカンとできて、周辺を更地にした後、長年にわたって小さな隕石がポツポツ落ちて作ったものです。その数を数えると、中心の大型クレーターができてからどれほど経ったのか分かるというわけです。

 そうして59個の大型クレーターを年代順に並べてみると、コペルニクス・クレーターを含む8個が約8億年前に集中して作られたことが判明しました。

 約8億年前、月面に隕石がどかどか降ってきた事件があったのです。その総量は約2兆トン、富士山2個分と見積もられます(富士山を1兆トンとして計算)。

 その時、太陽系で一体何があったのでしょうか。

■ オイラリアの一族、宇宙に散る

 火星軌道と木星軌道の間は、小惑星が大量に浮遊している「小惑星帯」です。

 この小惑星帯で、7億年~13億年前、大きめの小惑星が1個、砕け散って無数の破片に分裂しました。

 ある大きな破片は小惑星帯に残り、小惑星のひとつ「オイラリア」となりました。これにちなんで、今は無きその母天体に所属していた小天体は「オイラリア族」と呼ばれます。

 探査機「はやぶさ2」が探査した小惑星「リュウグウ」と、探査機「オシリス・レックス」が探査中の小惑星「ベンヌ」もまた、オイラリア族のメンバーの可能性があります。両方とも地球接近天体ですが、母天体が破砕した後、地球軌道近くに迷い込んだのかもしれません。

 またオイラリア族のメンバーのある割合は、当時月や地球や火星に落下したと思われます。大量の隕石群が月と地球と火星を襲い、盛大な花火となり、太陽系を揺るがしたことでしょう。

 この事件は、8億年前の月面クレーター大発生と時期が重なります。コペルニクス・クレーターを始めとする大小のクレーターを作ったのは、オイラリア母天体の破片だった可能性があるのです。

 さて月のすぐとなりにあって、月よりも大きな地球は、オイラリア母天体の破片を月よりも多く受け止めたはずです。その量は推定40兆トン~50兆トン、富士山40個~50個分という途方もない量です。この宇宙からの爆撃は、地球にどのような影響を及ぼしたでしょうか。

■ 全球凍結(スノーボールアース)

 45億年の地球の歴史において、隕石の衝突は大小無数に起きていますが、地球の表面には空気と水があります。風や水の流れは絶えずして、プレートも元の位置にあらず。自然の働きでクレーターは風化し、やがて消えてしまいます。8億年前に隕石の一斉射撃を受けたとしても、そのクレーターを見つけることは望み薄でしょう。

 ではクレーター以外に、巨大隕石はどういう証拠を残したでしょうか。地球にどんな影響をおよぼしたでしょうか。

8億年前の岩石に残る痕跡から、そのころ地球は大変寒い時期に突入したことが分かっています。「全球凍結(スノーボールアース)」も何回か経験したようです。

 全球凍結は、地球の平均気温が氷点下に下がり、全表面が氷に覆われる現象です。いわゆる氷河期とは比べものにならない壮絶な状態で、これが起きればほとんどの生物種が死に絶える「大絶滅」必至ですが、幸いここ数億年は起きていません。

 さて巨大隕石が衝突すると、熱で一時的に蒸発した物質が冷えたものや、吹き飛ばされた周囲の物質などが、大量の塵となります。これが日光を遮るため、広い地域の気温が急激に下がります。高空に舞い上がった細かな塵は1年以上落ちてきません。ある計算では、地表の温度は-40℃まで下がります。

 隕石衝突に限らず、温度が下がると、陸地には雪がつもり、海や川は凍りつき、地球の表面に占める氷の割合が増えます。白い氷の表面は、液体の水面に比べて2倍も日光を反射します。そのため、氷の割合が増えると気温がますます下がります。すると氷はさらに広がります。

 こうして最悪のシナリオでは、気温低下が暴走し、氷の割合は止めどもなく増えていき、最終的には地球の全表面が凍りつきます。これが全球凍結の起きる仕組みです。

 全球凍結状態は安定なため、いったんこの状態に落ち着くと、別の何らかの原因(温暖化ガスの増加など)によって氷が溶けるまで、何千万年間も続きます。

 気候変動は多くの要因が複雑に影響しあって起きるもので、8億年前の寒冷化も、隕石衝突のような単一の原因で説明することは難しいでしょう。けれどもオイラリア母天体の分裂が、8億年前の地球寒冷化と全球凍結のきっかけとなった可能性は、否定できません。地球の気候変動が宇宙からもたらされることもあり得るのです。

 今回の発表が示すように、月のクレーターは過去45億年間の記録です。正しく読み取れば、はるか昔に宇宙のどこかで起きた出来事を知り、地球の事件の原因を突き止めることもまた可能なのです。(Yahoo!より抜粋)
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